品質管理Navi

アパレル検品用語集 – 品質管理の基本から実践まで

アパレル業界で品質管理や検品業務に携わる方にとって、専門用語の正しい理解は欠かせません。製造現場から流通まで、様々な場面で使われる検品関連の用語を体系的にまとめました。

品質管理担当者、製造部門の方、検品業者との連携を図る方まで、幅広い方にご活用いただける内容となっています。適切な用語の理解により、より効率的で正確な品質管理体制の構築にお役立てください。

検品基本用語

OEM(Original Equipment Manufacturer)

他社ブランドの製品を製造する企業のことを指します。アパレル業界では、ブランド企業が企画・デザインした商品を、OEMメーカーが製造するビジネスモデルが一般的です。品質管理においては、発注元とOEMメーカー間での品質基準の共有が重要になります。

ODM(Original Design Manufacturer)

製品の企画・設計から製造まで一貫して行う企業を指します。OEMとは異なり、ODMは自社で商品開発を行い、それをブランド企業が買い取る形になります。検品の観点では、ODMの品質管理体制そのものが最終製品の品質を左右するため、より厳格な管理が求められます。

QC(Quality Control)

品質管理のことで、製品が規定の品質基準を満たしているかを確認する活動全般を指します。検品作業はQCの重要な構成要素の一つです。

QA(Quality Assurance)

品質保証のことで、品質管理(QC)よりも広い概念です。製品の品質を保証するためのシステムや体制全体を指し、検品だけでなく、品質計画から改善活動まで含みます。

品質基準

製品が満たすべき品質の水準を定めたものです。縫製精度、素材の品質、サイズ精度など、具体的な数値や基準が設定されます。検品作業は、この品質基準に基づいて実施されます。

検査基準書

検品作業で確認すべき項目や判定基準を詳細に記載した文書です。検査員が統一的な基準で検品作業を行うために不可欠な資料となります。

抜き取り検査

全体の中から一定の割合でサンプルを抜き取って検査する方法です。大量生産品において効率的な品質管理を行う際によく用いられます。

全数検査

製造された全ての製品を一つずつ検査する方法です。高品質が要求される製品や、不良品の流出が重大な問題となる場合に実施されます。

初回検品

生産開始時に行う最初の検品作業です。量産前に品質基準が満たされているかを確認し、必要に応じて製造工程の調整を行います。

最終検品

出荷前に行う最後の検品作業です。梱包前の製品について、全ての品質項目を総合的にチェックします。

ファイナル検品

最終検品とほぼ同義で使われることが多い用語です。出荷直前の品質確認を指し、この段階で不良が発見された場合は、補修や交換などの対応が必要になります。

縫製・製造用語

縫製仕様書

製品の縫製方法や使用する糸、ステッチの種類などを詳細に記載した文書です。検品時には、この仕様書に基づいて縫製が正しく行われているかを確認します。

パターン

衣服の型紙のことです。パターンの精度は最終製品のサイズや形状に直結するため、検品においてもパターン通りに製造されているかの確認が重要です。

グレーディング

基本となるサイズのパターンから、他のサイズのパターンを作成する作業です。各サイズ間での品質の一貫性を保つため、検品時にはサイズごとの品質チェックが必要です。

付属品

ボタン、ファスナー、ラベルなど、衣服本体以外の部品全般を指します。検品では、付属品の取り付け状態や品質も重要なチェックポイントです。

芯地

衣服の形状を保持したり、補強したりするために使用される補助材料です。芯地の貼り付け状態は外観や着心地に大きく影響するため、検品での確認が欠かせません。

接着芯

熱や圧力により生地に接着する芯地です。接着不良は製品の品質低下につながるため、検品時には接着状態の確認が重要になります。

バイアステープ

斜め45度方向(バイアス方向)に生地の端を処理するためにカットされたテープ状の生地です。縁取りや補強に使用され、検品では取り付け状態や歪みの有無を確認します。

パイピング

生地の端を別の生地やテープで包む仕上げ方法です。美観と耐久性の両面から、検品での品質確認が重要な項目です。

ステッチ

縫い目のことです。ステッチの種類や品質は製品の外観と耐久性に直結するため、検品の主要チェックポイントの一つです。

トップステッチ

製品の表面に見えるように施される装飾的な縫い目です。外観に直接影響するため、検品では特に注意深く確認する必要があります。

針飛び

ミシンの針が生地を貫通せず、縫い目が飛んでしまう不良です。強度不足や外観不良の原因となるため、検品での重要な確認項目です。

糸切れ

縫製中に糸が切れてしまう現象です。縫い直しが必要になるだけでなく、見落とすと強度不足の原因となります。

縫い目の歪み

縫い目が真っ直ぐでなく、波打ったり曲がったりしている状態です。製品の外観品質に直接影響するため、検品での重要なチェックポイントです。

素材・生地用語

生地目

織物の縦糸と横糸の方向のことです。正しい生地目で裁断されていないと、着用時の型崩れや歪みの原因となるため、検品時の確認が重要です。

バイアス

織物の縦糸、横糸に対して斜め45度の方向のことです。バイアス方向は最も伸縮性があり、デザインに応じて意図的に使用されることもあります。

経糸(たていと)

織物の長さ方向に走る糸のことです。一般的に経糸の方が強度が高く、製品の耐久性に影響します。

緯糸(よこいと)

織物の幅方向に走る糸のことです。経糸と緯糸の組み合わせにより、様々な織り組織が作られます。

織り密度

一定面積内の糸の密度を表す指標です。織り密度は生地の強度や風合いに影響するため、品質管理の重要な要素です。

目付け

生地の重さを表す単位で、1平方メートル当たりのグラム数で表示されます。同じ素材でも目付けにより品質特性が変わるため、検品での確認項目の一つです。

風合い

生地を触った時の感触や質感のことです。定量的な測定が困難ですが、製品の品質評価において重要な要素の一つです。

収縮率

洗濯などにより生地が縮む割合です。収縮率が高い生地で作られた製品は、着用後のサイズ変化が問題となるため、事前の確認が重要です。

色落ち

染色された生地から色素が流出する現象です。他の衣類への色移りや変色の原因となるため、検品での重要なチェック項目です。

色移り

ある色の生地から他の生地へ色素が移る現象です。特に濃色と淡色の組み合わせで問題となりやすく、検品での確認が必要です。

ピリング

摩擦により生地表面に毛玉ができる現象です。着用時の外観に影響するため、ピリングしにくい素材の選択や、検品での確認が重要です。

スナッグ

生地表面の糸が引っかかって飛び出す現象です。外観不良の原因となるため、検品時には注意深く確認する必要があります。

品質管理用語

不良品

品質基準を満たさない製品のことです。縫製不良、素材不良、サイズ不良など、様々な要因により発生します。

B品

正規品(A品)に比べて品質が劣るものの、使用上は問題のない製品です。アウトレット商品として販売されることもあります。

返品率

出荷した製品のうち、品質問題により返品された製品の割合です。品質管理の効果を測る重要な指標の一つです。

歩留まり

投入した原材料に対する良品の割合です。歩留まりの向上は、品質向上とコスト削減の両面で重要な課題です。

トレーサビリティ

製品の製造履歴や流通経路を追跡できる仕組みです。品質問題が発生した際の原因究明や対策に不可欠な仕組みです。

品質記録

品質管理活動の結果を記録した文書です。検品結果、不良発生状況、改善措置などが含まれ、品質向上のための重要な情報源となります。

是正措置

発生した品質問題の原因を除去し、再発を防止するための措置です。根本的な解決を図るために重要な活動です。

予防措置

潜在的な品質問題を事前に特定し、問題の発生を未然に防ぐための措置です。品質向上の観点から、是正措置よりも効果的とされています。

工程管理

製造工程において品質を確保するための管理活動です。各工程での品質チェックにより、不良品の流出を防止します。

検針器

衣料品に混入した針や金属片を検出する装置です。消費者の安全を確保するため、多くのアパレル企業で使用されています。

金属探知機(または金属検出機)

製品に混入した金属異物を検出する装置です。検針器よりも検出範囲が広く、より包括的な安全確認が可能です。

流通・物流用語

検品タグ

検品作業が完了したことを示すタグです。検品者の情報や検品日時などが記載され、品質保証の証として機能します。

下げ札

商品に取り付けられる価格タグや商品情報タグのことです。消費者への情報提供と同時に、流通段階での商品管理にも使用されます。

品質表示タグ

素材組成、洗濯方法、注意事項などを記載したタグです。法的な表示義務があるものも多く、正確な表示が求められます。

ハンガー掛け

商品をハンガーに掛けて保管・陳列する方法です。シワの防止や商品の形状維持に効果的ですが、適切な方法で行う必要があります。

たたみ仕様

商品をたたんで包装する方法です。商品の特性に応じた適切なたたみ方により、輸送中の品質保持を図ります。

個包装

商品を一つずつ個別に包装することです。品質保護や衛生管理の観点から重要な工程の一つです。

梱包仕様

商品を輸送用の箱に詰める際の方法や材料を定めた仕様です。輸送中の損傷を防ぐため、商品に応じた適切な梱包が必要です。

出荷検査

商品を出荷する前に行う最終的な品質確認です。梱包状態、数量、付属品の有無などを総合的にチェックします。

入荷検査

納品された商品について行う品質確認です。発注内容との照合や、輸送中の損傷の有無などを確認します。

専門知識と創業80年の実績で実現する「1着も無駄にしない」品質管理

アパレル検品における専門用語の理解は、品質管理の第一歩です。しかし、用語を知るだけでは十分な品質管理は実現できません。重要なのは、これらの知識を実際の検品業務に活かし、確実な品質保証を行うことです。

ハクホウでは、上記のような専門用語を完全に理解した熟練スタッフが、創業80年で培ってきた検品・補修の技術力を活かし、お客様の大切な商品を「1着も無駄にしない」包括的なサービスを提供しています。

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